求めれど求めれど貴方の行方は知れず

記憶の欠片を手繰り寄せては貴方を想う

まるで貴方は陽炎のよう


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君が僕を呼ぶ声が、遠く微かに木霊する

君は確かに生きていた

小さくか弱くしかし力強く



君は長き旅に出る

帰らぬ僕を探しながら




僕は唄う

永遠という名の怠惰に身を委ねる民の歌を

永遠の怨念に囚われし英雄たちの歌を

そして、永遠を打ち砕く新たなる英雄たちの物語を



僕は知っていた

永遠という名のまがいものを

そして自らもまた、永遠という甘美な誘惑から抜け出せない

まがいものであるということを



君は長き旅に出る

ただ穏やかに笑いながら


魂の永遠に身を委ねた君を、

ただ、美しいと思った


僕はただ、美しいと思った


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ねえ、詩人さま

わたしは竪琴の音を探していた

笛の音がするたびにこころは騒いだ

貴方の奏でる調べを、求めていた



ねえ、詩人さま

わたしが長き旅に出ても、きっと貴方は唄っていて

いつもの音色を奏でていて


わたしがいつか旅を終えたとき

その調べがわたしの魂を呼ぶ道標になるでしょう


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そして彼女は旅に出る。


永い永い時を生きる詩人にとっても、なんだか印象深かった、イーリスのナディール

彼らはほんのひと時しか触れ合うことはなかったけれど

それでも、お互いの長い人生に強く焼き付いて、

ふとした折にふっと頭をかすめるような、そんな存在です。


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