ザードとーティミシア  - Buzzard & Artimisia -             _


「ア、…アーティ?」
「どうしてわからないのよ…!」
「…俺はただ…俺に関わると…お前が…」
「私はそんなことどうだっていいわ! 紅い眼がどうしたっていうのよ! この5年間その眼が私に何か危害を及ぼした? 何もないじゃない!」
「ア、アーティ……?」
「私は、ただ…"あなた"のことが好きなだけよ!」
「……俺は…お前を幸せにすることは…できないから……」
「だったら私が幸せにしてあげる。あなたはいつもみたいにぼーっとしてたっていいから…、私この5年間幸せだったわ? それでいいじゃない、それで…っ」
「…俺は、俺なりに…お前を、大切に思っている…だから、俺は…」
「あなたが邪神の眼なら、私の眼は女神の眼。相殺できると、思わない…? 私とあなたなら、大丈夫だと思わない…?」
「……、アーティ…」



(小さい……(じー))
「…… 何やってるの…?」

「紅の眼…紫の眼…」
「…相殺っていうか、どっちも持って産まれちゃったのね」
「この子たちは…大丈夫だろうか…」
「え?」
「子どもの頃、俺は…家でかくまわれるように、暮らしていた…"災いの眼"を持っていた、から…家が没落してから、は…姉にかくまわれた。影に生きるような暮らしを、していた…」
「私は"神の眼、神の眼"って祀り上げられていたわ。私の家は代々神に仕えるものたちでもあるから、余計に重宝されたのかもしれない。…どちらも持って生まれて嬉しいものではないわね」
「それでも…愛されるなら、いい。だが、両方を持ち合わせてしまったなら、どのように扱われるのか…と」
「…この子たちが生まれてこないほうがよかったなんて、思わないわよね?」
「…いや…思わないが、この先を思うと不憫でな…」
「…あなた、後ろ向きよね?」
「…育ちが育ちだ、仕方ないだろう…」
「たとえ私がどうなっても、この子たちは幸せになってほしい…わ。…できたら、皆一緒に幸せに」
「なれれば…いいな」
「私が、幸せにしてあげる」
「…逞しいな、アーティは」
「何その言い方」



奥様からプロポーズされたどこまでも鈍かった旦那ですが。
「…俺は…俺なりに、お前を、愛している…」そうです。
「……俺の子……か」と照れくさそうです。
「俺に…普通の、幸せを…与えてくれて、ありがとう」なんだそうです。