Noir + Blanche  - Crow & Schnee -             _
本編をお読みになってからでないと意味不明かもです








たぶんインスピレーションはサガフロ2の技、「からすとうさぎ」から。
それを元に「しらゆきとからす」という小話が生まれる。

後に、文芸部の個人誌用の物語を考えるにあたって、
その当時心酔していた天野月子「烏」を聴いて案を練っていたところ
まんま烏の雰囲気を流用し、「しらゆきとからす」を改訂。
これがクロウとシュネのはなし。


【クロウ】―"路地裏の黒鴉"                           _

"幾千の孤独と、一筋の希望"

物心ついた時からの路上生活者。25歳くらい。
文字もろくな常識も知らない。
治安の悪い街で育つ。

幼少の頃に、慕っていた"兄貴"という存在がいたが、兄貴は死亡。餓死か病死かはたまた様々な要因が重なったものか、今となっては不明。
可愛がってもらった記憶は色濃いので、
その後街の人間たちに手酷い仕打ちを受けた反動で心を閉ざす。

生きる意味も見出だせないが死ぬ勇気もなく、ただただ罪を重ねながら生きながらえること20数年。
盗賊的素質抜群。

兄貴からも「坊」と呼ばれ、特定の名前を持たない。
街の人間からは不吉な「路地裏の黒鴉」――"クロウ"と呼ばれる。

ただ生きる為に手段を選ばず、
人を信じず己以外を敵視する。

迫害される身の己に手を差しのべたシュネの存在に戸惑い、
まるで己とは正反対にも関わらず、迫害を受け全てを失った彼女に同情し、
彼女をこの街から救い出し護る決意をする。

生き別れた上に本人は存在すら知らないが、姉と兄(バザード)がいる。



「……生きる意味なんてねえ、と思ったさ。
 だけど、死ぬこともできなかった。俺は臆病だったから」

「傷つけられるのが怖くて、誰も信用できなくなった。
 誰も信用しなければ、俺は強くいられた」



【備考】
前髪を切ったら超イケメンでしたー☆
シュネと出会った頃はギャルゲの主人公みたいなアレだったよ。
でないとほら…"※ただしイケメンに限る"法が適用されちまうだろ…


【シュネ】―"薄幸の白うさぎ"                           _

"突然失ったすべてと、めぐり合ったただひとつの"すべて""

森の奥の小さな村で生まれ育った領主の娘。16歳。
(地帯一帯の領主の血筋ではあるが、人口の減退により既に村と呼ぶ他ない規模になっている)

生まれつき盲目で、その瞼は不思議と固く閉ざされており、十数年を光を知らないまま生きる。
性格は温厚で優しく、極めて女の子らしい。
十数年ぶりに村に授けられた新しい命ということもあり、村の人間にも可愛がられる。

15歳の時に、大金をはたいて高位の魔法医を招致。
もの見えぬ眼を治療することに成功。
しかしひらかれた瞼から覗くのは、"災厄の化身"の証と忌み嫌われる、深紅の瞳。
両親はその日からシュネを誰の目にも触れさせず、屋敷に軟禁。

しかし16歳になったある日、
屋敷への訪問者を出迎えるものが誰もおらず、
シュネが訪問者の対応をしたことから、"災厄の眼"のことが露見。
村はパニックに陥り、災厄を鎮めんが為、シュネを処分しようとする。
彼女は両親に逃がされ、のこされた両親の悲鳴を聞きながら召し使いと共に馬車で逃亡。

どの地でも追われ、やがて召し使いも彼らの手にかかり、彼女はひとりぼっちになる。


ひとりぼっちになったその街で、すべてを失った彼女は、ただひとつの"すべて"――"路地裏の黒鴉"クロウと出会う。



「一度誰かを必要としてしまったら、孤独には戻れない。孤独は苦しい。かなしい……
 わたしは自分が孤独なのも、あなたがこれから孤独に生きていくのも、考えたくありません。
 わたしはあなたを、必要としてしまったから」



【補足1】―クロウの兄貴                            _

クロウが路上で生活せざるを得なくなった直接の原因。
自責の念から、なにも知らず物心もつかない彼を護り抜くことを決意。
クロウは何も知らない。

クロウからは「にいちゃ」(※兄ちゃん)と呼ばれ、
彼のことは「坊」と呼ぶ。
目付きが悪い。


【補足2】―紅い眼                                _
これを持つ人間は"災厄の化身"として忌み嫌われる。
深紅の瞳を有する邪神の、その強大なちからを有する者の証と言われるからである。

過去にはこの眼とともに強大な力を持って生まれた人間が、
成長するに従い開花する力を制御できず、
暴走したり、悪魔に身を乗っ取られることが多発。
その度に世界に甚大な被害がもたらされてきたため、
この時代では紅い眼を有する人間への差別が尋常ではない。


なお、見事に制御し世界に貢献する偉業を成し遂げた人間もいるため、
公的には非難される存在ではないが、
民たちが彼らに抱く不安は色濃い。


【補足3】―シュネの故郷"                          _
元は長が"領主"と呼ばれる程の規模を持つ土地だったが、
その勢力と人口を減退させた一番の原因も、"災厄の化身"の証たる紅い眼の人間にあった。

人の身に適応できない程の強大な魔力を悪魔に利用され、
世に危害をもたらさんとする悪魔により、壊滅的な被害を受ける。

討伐隊により事態は収められたが、
その事件の生んだ悲劇は、僅かに残った領民に多大なトラウマを与え、
そして紅い眼の人間に対する強い憎悪を抱くに至った。

シュネが紅い眼を持っていたことが露見するやいなや、村人たちが半狂乱になったのは、
そのトラウマが原因。

シュネの幼なじみで12歳年上の女性・ルーは、
その事件の2世代後の世代であるということもあり、トラウマは希薄。
シュネの逃亡後、幼なじみに対する村の人間の行動を糾弾し、見切りをつける。