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結婚式

ローデンヴァルト王と妃の結婚式小話
カップル系。

続き

普段のリカルダさんはこんな感じです。
なにかと強いので、王もタジタジ。



ですが結婚式の日、
リカルダは支度に入ったきり姿を見せません。
いえ、そこにいるのはわかりきっているのですが、
何故か喚いていて姿を見せません。

「え、そんなに嫌がらなくてよくない…?」

ちょっと傷心の王です。

「花嫁のことはベールを上げるその時まで見えないでいる方が良いものですよ」

「俺の隣に立っててくれるかどうかすら危ういんじゃないの、あれ……」

フォローする周囲の人間に、
若き王はやはり、若干しょんぼり気味でした。



結婚式です。
"父親"ロルフ=ヴァラハと入場した花嫁は、
幾重にも折り重なるベールに隠され顔も見えません。

父親にも顔を見せなかったらしく、
チラチラと横目で"娘"を眺めるロルフが印象的でした。

"父"に手を取られ、
ライヒアルトに託された花嫁の手。

触れた瞬間にもろにビクッとなった小さな手に、
ぷち傷心です。



(なんとか隣に立っててくれてる、けど…)

まるで靄に包まれたかのようなベールの奥の花嫁。

(なんかこれおばけみたいだなぁ)

花嫁に対して思うべきではない想いが、彼の胸に去来します。
リカルダは依然、となりでびくびくしていました。




そして、"誓い"の時です。




「リカ、あのね。誓いの…、あのね」

「Σっ」

「ごめんね?」

「Σ――――っっ!!」



――ベールアップの時です。




「っ!」



ベールの向こうに隠れていたのは、

花嫁衣裳に身を包み、
顔を赤らめながら所在無げに視線を彷徨わせた、
可憐な幼馴染の少女の姿でした。




「、リ、リカ?!」

「きゃあああああああぁぁああぁ」

「あ、ちょ、リカ、リカ落ち着いてー!!」

「いやあぁあああぁぁぁぁあぁあぁあっっ」



王が花嫁に心奪われたのも束の間。

耳まで真っ赤にしてしゃがみこみ、
顔を伏せてしまった花嫁。

誓いの口付けは未だ、されず。


「ね、ねぇリカ、立って」

「やだやだやだやだっっ」

「し、式が止まってるよー」

ひっひとまっ人前でそんなっ無理っ!!
 アル、アルトくんと、や、む、いやああああっっ」

えっちょそれ俺とが嫌ってこと? リ、リカってば!」

「ちちちちがうのただあの いやあああああああ

「ええええー!!」



「まあ、リカルダらしいといえば、らしいですわね。おじいちゃん」

「…しかしリリー、あんなリカルダは初めて見るな」

「いつも地味に地味に頑張ってきた子だから…恥ずかしいのですわね」

「婚礼の最中にしゃがみ込んでいやいやし続ける花嫁は初めて見たが」

「ふふ。リカルダったら、恥ずかしがり屋さん」

「……めげるな、息子よ」



そんな会話をよそに。

「リ、リカ、無理しなくていいから。頬でも額でもいいっていうから」

いやああああああ

「ちょ、……じゃあ、リカ」

 
彼はそっと跪きます。



「俺と一緒になるのが嫌じゃなかったら、
 手を出して?」

「え、えう……?」






リカルダが悲鳴をあげたのは言うまでもありません。




が、この結婚式の英雄王の跪いての手の甲への口付けは、
後世の芸術家も好んで絵に描いたとか、描かないとか。



※絵が描けていないのは仕様です

普段と違う自分の姿を見せるのも恥ずかしいのになんで人前でそんな無理っ無理ありえないっ

というのがリカの心境
ただただひたすらに恥ずかしい、(式典に参加してる人にははた迷惑な)乙女の恥じらい。

王の衣装適当に描いたらとんでもない

tag:夜明けのガリアルド ライヒアルト リカルダ